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渡邊綱纜先生講演会「夕日に魅せられた川端康成と日向路」を開催しました。

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 11月15日(土)午前10時から11時半に、本学主催の特別公開講演会として、本学客員教授の渡邊綱纜先生をお迎えして、川端康成『たまゆら』創作五十周年を記念した講演会「夕日に魅せられた川端康成と日向路」を実施した。
 当日は、一般の来場者および学生を含めた150名ほどの聴講者が、渡邊先生のご講演に熱心に耳を傾けた。
 講演内容は、昭和40年4月から1年間放映されたNHK朝の連続テレビ小説「たまゆら」原作執筆にあたり、取材のために宮崎を訪れた川端康成を出迎え、宮崎県内各地をご案内してめぐり、17日間という長期にわたって公私に及んで川端康成と交流のあった渡邊先生による「宮崎における川端康成」のその滞在時における様子を精彩かつ詳細に貴重なエピソードをふんだんに交錯させながら、その人物像に迫り説き明かしていく稀有な内容を数多く含んだ希少価値の高い話であった。
 川端康成の宮崎来県五十年、没後四十年ほどの歳月を経てもなお、あたかも昨日のことのように活き活きと語り継いでいく渡邊先生の誠実で愛情に溢れた言葉の一つひとつが、小説家川端康成という類い稀な才能の存在感を、強烈で独特の魅力に包まれたその人間性を、大切に的確に言葉に置き換えながら、あるときは渡邊先生ご自身にそのまま川端康成の投影されるものと錯覚するかのように、リアリスティックな川端康成像が現出してくると言ってもよいのではないだろうか。
 現在、このような往時の川端康成氏について語り得る関係者は、その人びとの高齢化とともに主だった方々が数少なくなってきており、こうした「たまゆら」作品成立における特筆に値する影響を及ぼした人物の現存していることは、まさに例外的なことで、きわめて希少なあり様と思われる。渡邊先生は、長期間にわたり、川端の宮崎取材旅行に同行して、「日本のふるさと」宮崎の人と風土の美しさ、温かさを伝え、小説「たまゆら」執筆・成立において、かけがえのない影響をもたらした方なのである。
 そのことは、宮崎がどこよりも「美しい日本」の原風景にほかならない場所であり、「日向が神話の発祥の地」という所以によるものであったことが大きい。

以上


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