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経営学部合同ゼミナール(武次,出山,柚原)による「株式会社ミツトヨ宮崎工場」研究視察報告!

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経営学部合同ゼミナール(武次,出山,柚原)による
「株式会社ミツトヨ宮崎工場」研究視察報告!

 

 去る平成29年9月22日(金),本学経営学部の合同ゼミナール(以下,ゼミ) 武次玄三ゼミ(演劇論・演劇学,職業指導),出山実ゼミ(財務会計論,情報会計論),柚原知明ゼミ(経営組織論,経営戦略論)は,「株式会社ミツトヨ」(以下,「ミツトヨ」)様の宮崎工場を対象として研究視察を行ってきました。

 本研究視察は,世界的な精密測定機器メーカーである「ミツトヨ」様の事業内容に関する経営実態の学習を目的として実施いたしました。

 「ミツトヨ」様におかれましては,大変お忙しい中私たちの研究視察のお受け入れ準備とご対応をいただきました。総務課長の長友和徳様やミツトヨ労働組合広島支部執行委員の田爪八千夫様をはじめとするご対応いただいた社員の皆様に篤く御礼申し上げる次第でございます。

 本研究視察に関しては,下記の通り1.研究視察日時・訪問先・ご対応いただいた方々,2.写真集,3.参加したゼミ学生の感想,4. 柚原知明教授の研究視察総括,についてご報告いたします。

 

 

1.研究視察日時・訪問先・ご対応いただいた方々

 

○研究視察日時(対象ゼミ): 平成29年9月22日(金)13:15~14:45
(武次玄三ゼミ,出山ゼミ,柚原知明ゼミ)
○訪問先(所在地住所): 「株式会社ミツトヨ」様の宮崎工場
(宮崎県宮崎市田野町甲10652-1)

○ご対応いただいた方々:
  総務課課長 長友和徳 様
  ミツトヨ労働組合広島支部執行委員 田爪八千夫 様
  *(名刺をいただいた方のみ記載しております。)

 

2.写真集

 

写真1. 総務課長の長友和徳様からは,会社概要と事業内容についてご説明をいただきまいた。

写真1. 総務課長の長友和徳様からは,会社概要と事業内容についてご説明をいただきまいた。

 

写真2. 工場見学は,2組に分けて実施していただきました。

写真2. 工場見学は,2組に分けて実施していただきました。

 

写真3. ミツトヨ労働組合広島支部執行委員の田爪八千夫様からは,労働組合の組織形態と活動内容についてご説明いただきました。

写真3. ミツトヨ労働組合広島支部執行委員の田爪八千夫様からは,労働組合の組織形態と活動内容についてご説明いただきました。

 

写真4. 質問をする柚原知明教授です。

写真4. 質問をする柚原知明教授です。

 

写真5. 最後にゼミ学生全員を代表して大下将史くん(柚原ゼミ3年生)による御礼の挨拶の様子です。

写真5. 最後にゼミ学生全員を代表して大下将史くん(柚原ゼミ3年生)による御礼の挨拶の様子です。

 

3. 参加したゼミ学生の感想

 

財津拓実くん(経営学部3年生 武次玄三ゼミ)
 今回訪問した「ミツトヨ」様の宮崎工場は想像していた以上に会社の規模が大きく,また測定機器といった日本の工業に必要不可欠な精密製品を丹念に作られていることを知り驚いています。
 「ミツトヨ」様は日本だけでなく,世界を相手にした取引を行う会社であり,こうした世界的な企業が宮崎にあることを誇りにも思いました。
 また,最後に労働組合の活動についても講演していただき,労働組合に関する活動の現状や課題を知ることができたことも貴重な経験となりました。

 

田村昇太くん(経営学部3年生 武次玄三ゼミ)
 今回の「ミツトヨ」様の宮崎工場への研究視察を通して,世界の国々で「ミツトヨ」様の精密測定技術が活躍していることを知ることができ,とても素晴らしいと思いました。「ミツトヨ」様の主力商品「ゲージブロック」を製造している国内での工場は宮崎にしかないと言う事で,宮崎工場の社員の方の努力が商品への信頼度を勝ち取り,会社を支えているのだと思いました。
 宮崎工場の見学では一つ一つの質問にも丁寧に答えていただき,しっかりと理解をする事ができました。今日の宮崎工場見学をこれからの就職活動でも生かしていきたいと思います。

 

甲斐明菜さん(経営学部2年生 出山実ゼミ)
 今日は,「ミツトヨ」様の宮崎工場の見学をさせていただきました。「ミツトヨ」様の宮崎工場では,測定精密機器の「ケージブロック」を主に生産しており,全世界のお客様に商品を提供しているそうです。日本が誇るモノづくりの技術ですが,そのモノを作るのに「測る」ことは欠かせません。「ミツトヨ」様の宮崎工場は国内の「ゲージブロック」のほとんどを生産しているので,日本にとってとても重要な工場なのだなと思いました。素材や部品の品質にこだわってお客様からの信頼を大事にしている「ミツトヨ」様ですが,内部の社員達にも目を向けて労働環境を整えていることが分かりました。働く人の生活や雇用を守り,働きやすい職場づくりを心掛けることが技術力の向上につながって高品質の部品を作り出せることができるのだと思います。貴重なお時間を頂いて工場見学ができて良かったです。

 

大上寧々さん(経営学部3年生 出山実ゼミ)
 ゼミナール活動の一環で,「ミツトヨ」様を訪問させていただき,30年ほど前に誘致された宮崎工場へ研究視察を行いました。
 宮崎工場では「ゲージブロック」という,精密な加工と測定の技術を融合した長さの基準器を生産されていることや,測定機器の約7割がそれらによって校正されていることから,計量管理においてとても重要な役割を果たしているということを知りました。また,宮崎工場での生産工程の一部や実物の「ゲージブロック」を見せていただき,1マイクロメートルという目に見えない単位を扱いながらも,それらの質や精度の高さに驚きました。
 今回の研究視察を通して,時代や技術の変化を捉えながら計量技術を追求し続けていることが,お客様のニーズに的確に応えていることを認識し,会社の強みと同時に,変化に敏感であることの大切さを学んだ有意義な時間になりました。

 

大下将司くん(経営学部3年生 柚原知明ゼミ)
 私は,今回の研究視察に行くまで,「ミツトヨ」様について知りませんでした。計測機器を製作している会社ですが,その計測機器だけでも5千種もあり,また「ゲージブロック」という長さの基準器として用いられるものを,国内で生産し海外へも輸出していることに驚きました。各国の計量機関やメーカー,製薬会社など,意外に自分の身近にありふれているのではないかと感じました。
 また,労働組合に関しても分かり易くご説明していただき,理解を深めることができました。今回の研究視察は,大変有意義なものとなりました。また,このような機会があれば参加したいです。

 

熊田和貴くん(経営学部3年生 柚原知明ゼミ)
 今回訪問させて頂いた企業「ミツトヨ」様は,精密測定機器という分野において日本において競合と呼べる企業は存在せず,国外にも拠点を持ち世界的に活躍されている企業であることを知ることができました。また,梱包作業の見学や「ゲージブロック」に触れる体験など,実際の作業や製品に触れることでマイクロメートルという世界を感じることができました。
 同時に,この技術力が「ミツトヨ」様という企業の強みであることを実際に見て感じることができ,とても貴重な経験をさせて頂きました。

 

4.柚原知明教授の研究視察総括

 

 本研究視察は,本学経営学部で行っている様々な授業(経営学総論,経営管理論,簿記論,会計学,財務管理論,財務諸表論,原価計算論,経営情報論,人事管理論,生産管理論等)を踏まえ,世界的な測定機器メーカーである「ミツトヨ」様の宮崎工場を対象として製造業の実態と仕組みを学ぶことを目的として実施いたしました。社会科学である経営学は,物理学,化学,生物学等のような自然科学と違い理論の構築や検証に向けた実験が困難な学問領域です。大学における経営学の学習は,授業・演習や書物によって体系的理論を学んだ後に実際の経営実態を学び,経営実態を学んだ後に再び体系的理論を学ぶという相互作用の繰り返しが非常に重要となります。ある程度の体系的理論を学んだら,積極的に現場の経営実態を研究視察することが質の高い問題意識や新たな興味を醸成させることになります。本研究視察は,日頃の体系的理論学習を踏まえた企業の経済活動及びマネジメントの実態観察であり,自然科学の研究における実験に相当するとも云えます。

 「ミツトヨ」様の宮崎工場は,同社測定機器の7割が校正の際に使用される「ゲージブロック」(gauge block)の貴重な製造拠点です。「ゲージブロック」とは,標準寸法通りか否かの長さの基準器として用いられる直方体形のゲージ(器具)です。私たちは,「ミツトヨ」様のご理解とご協力をいただき,「ゲージブロック」の製造に関する貴重な研究視察の機会を得ました。歓迎のご挨拶冒頭においては,総務課課長の長友和徳様から本学大村昌弘学長が通商産業省(現在の経済産業省)から宮崎県庁へ商工労働部長として出向していた当時の対応・支援により,1985年宮崎工場の設立に至った経緯の紹介と御礼をいただきました。その後,会社の概要,及び製造技術の社員の皆様より工場内の製造工程に関して懇切丁寧なご案内をいただきました。また,最後にミツトヨ労働組合広島支部執行委員の田爪八千夫様には,労使協調を踏まえた「ミツトヨ」様のご発展と働く人たちの豊かさ・充足を目指した労働組合の組織形態と活動内容に関するご紹介をいただきました。社会科学を学ぶ学生諸君にとっては,非常に新鮮で忘れられない貴重な経験になったと思います。

 近年日本の製造業に対しては,厳しい国際競争の状況下,識者やマスコミを中心として衰退論,悲観論,空洞化論が盛んに議論されております。しかしながら,日本の製造現場における物造りの能力が低下したわけではありません。私たち消費者は,製造業に対して日頃直接的に目に触れることが出来るパソコンや携帯電話等の完成品に目が向きがちです。今日における日本の製造業の強みは,長きに渡って培ってきた完成品に使用される部材・部品群,及び製造工程で使用される汎用的な測定機器や製造機器に関する高い技術力です。正に「ミツトヨ」様の「ゲージブロック」は,全世界における各メーカーの製造工程で使用されるコア(中核)となる汎用的な測定機器に関わる製品群です。「ゲージブロック」等の製品群は,日本の優れた物造りの典型であり,地道な研究開発の蓄積をベースとして熟練社員の微妙な調整技術を踏まえた模倣困難な質の高い物造りによって競争力を維持されております。

 研修視察の最後には,参加したゼミ学生全員を代表して大下将史くんが立派に御礼の挨拶をしてくれました。この経験は,今後における本学での経営学の学習,及び将来の職業人生において必ず貴重な経験になるものと思います。学生諸君は,研究視察(本学の授業含む)において常に高い問題意識を持ちながら質問や意見を整理して積極的に発言する姿勢が重要です。質の高い質問や意見は,ご対応頂いている訪問先の企業関係者に対する礼儀でもあります。ぜひ,今後においても継続的に研鑽を積み上げていってもらいたいと思います。

 最後になりましたが,私たちの受け入れ準備と懇切丁寧なご対応をいただきました「ミツトヨ」様の宮崎工場の皆様に篤く御礼申し上げる次第です。

 今後における「ミツトヨ」様の益々のご発展とご繁栄を心よりご祈念致しております。

以上

 

(編集 経営学部/出山実)

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