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法学部の取り組み〜実務への架け橋に

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産経大法学部では、実社会で法律が問題になる様々な場面を、大学生が実感として体験し、4年間の学修で自ら考え行動できるよう、実践的な教育を重視しています。

1.実務的な講義の実施

法学部新入生を中心に、公正取引委員会の方による独占禁止法教室を実施しています。2023年度は、5月に実施しました。

独占禁止法は大学1年生にとってはやや専門的な法律ですが、民法を学ぶ中で、契約や取引が実社会ではどのような形で問題になっていくのか、自分達が社会に出て企業活動をする際に関わるかもしれない、といった視点で実社会との接点を感じて欲しいと思い、実施しております。

大学に入ったばかりの1年生にとっては難しい内容のように思いましたが、学生のアンケート結果からは、「社会科の授業でカルテルの内容は習っていたが、優越的地位の濫用は知らなかったので、とても興味深い内容だった」「売り上げを考えてプランを考える話し合いが印象的だった。いろいろ考えることがあって楽しかった」等、興味深く参加できたという感想が多かったです。また、全体を通してわからなかったという感想はわずか3%でした。

後期は、2年以降の専門的な学修に向けて、学内の専門教員によるリレー講義が始まります(講義「法学の最前線」)。社会に目を開き、法的な思考や分析を自らできるよう羽ばたいて欲しいと考えています。

2.学生たちがつくる“手作りの模擬裁判”の実施

法学部では、2年生以上の各ゼミで、多様で興味深い取り組みがなされています(県議会傍聴、刑務所訪問、裁判傍聴その他)。

その中で、雨宮ゼミ・宮田ゼミが合同で毎年実施しているのが「刑事模擬裁判」です。これまで、法的機関と連携して実施するなど、積極的に実施してきました。近年はコロナ禍の影響でオンライン模擬裁判なども実施してきましたが、昨年度から、「最低限の事実設定をもとに、あとは学生が自ら主張を考え実践する」という“手作りの模擬裁判”を実施しています(昨年度は、2022年5月と2023年1月の2回実施)。

※2023年1月実施の模擬裁判の様子(上は冒頭手続、下は主張等を協議しているところ)

裁判の場の発言も自分達で考え、その発言に基づいて、当初予定していた主張をどのように具体化して発言するのか、自分達で試行錯誤しながら裁判を作り上げていきます。非常に時間はかかりますが、少人数でチームを組んで実践していきます。実際の裁判と比べれば裁判手続の厳格さなどは足りない部分も多いですが、模擬裁判を経た学生達が裁判を傍聴すると、「それまでわからなかったいろいろなことがわかるようになった」と皆言います。自分で考え、実践することで、実務への架け橋になればと考えています。

※学生の感想コメント紹介

「検察官役を初めて担当し、被告人が犯人だということを立証するのがとても難しいことが分かりました。被告人が否認し、証人も被告人の顔をはっきり見たわけではなかったので、立証が難しかったです。模擬裁判で裁判の流れや、それぞれの役割を知ることができたので、とても勉強になりました。」

「模擬裁判を通して、それぞれの役割についてより深く理解することができた。私は証人役で参加し、検察官や弁護人、裁判官からの質問に上手く答えられるか不安であった。 また、証人や被告人の質疑応答は重要なことだと改めて感じた。」

※なお、ここ数年、模擬裁判を経験した学生が、法曹を目指して法科大学院に進学しています。

以上
文責;法学部教授 宮田浩史


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