本学では、高鍋町との包括連携協定を結び、同町の将来像である「対話でつながる豊かで美しい街づくり」の実現に向けて支援しています。本年度は、コロナ禍のために、実際に集まって対話するという時間は減ってしまいましたが、前年度からの経過も含めて活動内容を紹介します。
①高鍋版GNH(総幸福量)指標
昨年度に作成した高鍋版GNH指標が、第6次高鍋町総合計画後期基本計画(令和3年度~6年度)に掲載されることになりました。高鍋版GNH指標は、地元の高校生たちと一緒に高鍋の幸せな未来像を描きながら作成した指標となります。他の自治体でもGNHは活用されていますが、地元に住んでいる高校生たちが主体となって自分たちの街のGNHを策定するのは全国的にも珍しい取り組みとなります。
基本計画の中では、高鍋版GNH指標を「総合計画の施策の評価検証を行う指標として位置付け、町民の幸福を図ることに主眼を置き、指数の向上を図ることにより幸福なまちづくりを推進して」いくことが明記されました。今後は、コロナ禍の様子を見ながら、住民や学生たちと一緒にGNHを高めていくためのアクションを実現していくことを支援していく予定です。
②アクティブブックダイアログ:童門冬二著『小説 秋月鶴山』
今年2月、童門冬二氏によって、高鍋藩の名君・秋月種茂を題材にした『小説 秋月鶴山~上杉鷹山がもっとも尊敬した兄』が出版されました。童門氏によれば、この小説は秋月鶴山を広く紹介するとともに、実験的な「自治体小説」と位置付けて、ケーススタディとしての役割を持っているといいます。そこで、高鍋町の職員の方々と、この小説から学び合うことを目的に、アクティブブックダイアログ形式で読書会を実施しました。アクティブブックダイアログとは、一冊の本を参加者全員で味わいながら、小説からの気づきや学びを、全員で対話しながら深めることができる読書会の方法です。
アクティブブックダイアログは、まず担当個所を決めて、要約・リレープレゼンを実施します。参加者一同で本の内容を確認した後、この小説からの学びを深めていくための対話のテーマを募集します。今回、テーマとしてあがったのは、「リーダーシップとは何か」「現在にもつながっている、これからもつなげていきたい秋月鶴山の想い」「困ったことに対峙するレジリエンス力」の3つでした。ケーススタディ小説と位置付けられているように、個人のあり方にも、組織のあり方にも、地域創生にも通じるテーマとなりました。そして、どのテーマにおいても、秋月鶴山の想いや人間性を深く感じることができる対話の時間となりました。
来年度以降、連携協定においては、町が企画している『小説 秋月鶴山』を盛り上げていくためのイベント等にも協力していく予定です。
(編集:経営学部 出山実)
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